「副業をしていても開業届を出す必要があるの」
「開業届の基礎知識を教えて!」
現代の働き方の一つとして副業を始める人が増えてきています。独立行政法人の労働政策研究・研修機構の調査によると令和4年の時点で副業をしている人は6%と調査結果を発表しています。副業をする理由も調査されており、「収入を増やしたいから」が最も多くの割合(54.5%)を占めていました。
ただ、副業を始めて稼げるようになったときに、「開業届って出すべき?」と考える方も多いのではないでしょうか。
会社員として働きながら副業をする場合、開業届の提出は任意ですが、青色申告を利用したい方や事業として本格的に取り組みたい方は、提出することをおすすめします。
そこでこの記事では、副業における開業届の基礎知識から具体的な手続き方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。開業届を出すメリット・デメリットを理解して、あなたに合った選択をしましょう。
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構│副業者の就労に関する調査より
■この記事は以下の内容が書かれています
- 開業届とは何かをわかりやすく解説
- 開業届を提出するベストなタイミングや手続き方法
- 開業届を簡単に出すことができるおすすめサービスの紹介
■この記事でわかること
- 開業届に必要な書類や提出期限などがわかる
- 開業届に記入する項目が理解できる
- 提出後の手続きや注意点を知る事ができる
それでは早速スタートします。

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副業初心者向けに開業届とは何かをわかりやすく解説

まずは開業届について解説をします。
開業届は、自身の事業や副業をしたことを税務署に申告する手続きのことです。正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。会社に勤めていれば毎月の給料から天引きされていますが、個人事業主などの会社に属さない場合は自身で所得税を計算して確定申告を行います。
フリーランスや個人事業主として収入を得る場合に提出するもので、副業であっても事業として継続的に収入を得るなら提出ができます。提出自体は無料で、最寄りの税務署に持参するか郵送、またはオンラインで手続きが可能です。開業届を出すと屋号(お店や事業の名前)を持てたり、青色申告で税制優遇を受けられたりと、さまざまなメリットがあります。
開業届を出しておくと税金面でメリットが大きくなるため、提出することを考えてもいいでしょう。以下の記事では副業をしている人に向けて開業届を出すメリットやデメリットについて詳しく解説をしていますので、ぜひ参考にしてください。

副業で開業届を出すべき?出さなくてもいい?
副業で開業届を出すかどうかは、あなたの働き方や収入の見込みによって判断が分かれます。
- 開業届を出す人・出さない人の違い
- 開業届を出さなくても違法ではない?
年間の所得が少額の場合や単発のアルバイト程度であれば提出しなくても問題ありません。開業届を出すと事業所得として申告でき、経費計上の幅が広がるメリットがあります。自分の副業スタイルに合わせて、提出の必要性を検討しましょう。
開業届を出す人・出さない人の違い
開業届を出す人と出さない人の最大の違いは、税制優遇や事業としての信頼性を重視するかどうかです。
- 青色申告で最大65万円の特別控除を受けたい
- 屋号付きの銀行口座やクレジットカードを作りたい
- 継続的に事業として収入を得る予定がある
- 家族への給与を経費にしたい
- 副業の所得が年間20万円以下の小規模な収入である
- 単発の仕事やアルバイト程度の収入である
- 会社にバレるリスクを最小限にしたい
- 試しに始めてみたい段階である
開業届を出すことで事業としての実態が明確になり、経費計上の根拠も強くなります。ただし、提出しなくても確定申告自体は可能で、白色申告として所得を申告できます。
開業届を出すタイミングや出さないリスクについて、以下の記事で解説をしていますのでぜひ、参考にしてみてください。

開業届を出さなくても違法ではない?
開業届を出さずに副業をしても、違法ではありません。所得税法では、開業から1か月以内に提出することが「望ましい」とされていますが、罰則規定はないため、提出しなくても法律違反にはなりません。ここで押さえておきたいポイントは以下4つです。
- 開業届を出さなくても確定申告は必要な場合がある
- 白色申告での申告は開業届なしでも可能である
- 開業届を出さないと青色申告はできない
- 税務署から指摘されることはほとんどない
青色申告の特典(最大65万円控除、赤字の繰越など)を受けるには開業届と青色申告承認申請書の両方が必要です。将来的に青色申告を検討しているなら、早めに提出しておくことをおすすめします。
副業で開業届を出す目的

開業届を提出する目的は、税制上のメリットを受けることと、事業の透明性を確保することです。開業届を出す目的は、主に以下の3つです。
- 法的な公告がされる
- 税金の申告と納税が正しく行える
- 社会保険の適用が必要になる
事業としての信頼性が高まり、取引先との契約や融資の際にも有利に働くことがあります。それぞれ順番に説明をしていきます。
法的な公告がされる
開業届の提出により、自分の事業や副業が法的に認められます。
これにより、自分の活動が正当な事業として扱われ、他の関係者やクライアントに信頼性を与えることができます。ただし、一般に広く公表されるわけではなく、あくまで税務署内での記録ですので、インターネット上で公開されることはありません。
- 税務署があなたの事業を正式に把握する
- 事業の実態を証明する公的な根拠になる
- 屋号を使った取引の信頼性が増す
- 融資や補助金申請時に事業の証明として使える
このように、さまざまな手続きに開業届の控えが活用できます。開業届を出すことで、事業としての正当性が増し、取引先や金融機関からの信頼も得やすくなります。また、後々トラブルが起きたときにも、事業開始時期を証明する重要な書類となります。
税金の申告と納税を正しく行える
開業届を提出することで、収入に対する所得税や消費税などの税金の申告と納税が適切に行われます。青色申告を選択すれば、最大65万円の特別控除を受けられ、大幅な節税につながります。そのほかにも以下のメリットがあります。
- 青色申告特別控除(最大65万円)が受けられる
- 30万円未満の資産を一括で経費計上できる
- 赤字を3年間繰り越せる
- 家族への給与を経費にできる
- 30万円未満の資産を一括で経費計上できる
開業届を出さない場合は白色申告となり、これらの特典は受けられません。副業の収入が増えてきた段階で開業届を出すことで、税負担を大きく軽減できます。年間所得が数十万円を超える見込みがあるなら、開業届と青色申告承認申請書をセットで提出することを強くおすすめします。
社会保険の適用が必要になる
まず社会保険とは以下の3つのことです。
- 健康保健
- 介護保険
- 厚生年金保険
開業届を出しても副業の場合は、社会保険の加入義務は発生しません。会社員として本業で社会保険に加入していれば、副業分の保険料は不要です。理由として、会社員で加入している社会保険を利用できるためです。
ただし、副業の収入が本業を上回り、実質的に事業が本業となった場合は、国民健康保険や国民年金への切り替えを検討する必要があります。また、会社を退職して個人事業主一本になる場合は、社会保険の切り替え手続きが必須となりますので、ここは注意が必要です。
副業で開業届を提出するベストな時期と必要な書類

開業届は事業を開始した日から1ヶ月以内に提出するのが原則ですが、実際には数ヶ月遅れても問題になることは少ないです。ここでは、以下の疑問について解説をします。
- 開業届はいつまでに提出するの?
- 開業届けに必要な書類は?
- 開業届の手続きの仕方は?
必要書類は開業届のみで、印鑑や本人確認書類があれば手続き可能です。計画的に進めましょう。
開業届はいつまでに提出するの?
「開業届」は事業を始めるときに国税庁の個人事業の開業届出・廃業届出等手続の提出が必要で、開業届を提出するタイミングについて解説いたします。
開業届は事業を開始した日から1ヶ月前に提出する必要があります。提出は多少遅れても大きな問題はありませんが、具体的な提出時期は自治体によって異なる場合がありますので、所在地の市区町村役場や都道府県庁のホームページや窓口で確認することをおすすめします。
- 事業開始日から1ヶ月以内
- 事業開始日から2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」も提出する
- 1月1日〜1月15日に開業した場合:その年の3月15日まで青色申告承認申請書を提出すればOK
- 遅れても罰則はないが、その年の青色申告ができなくなる可能性がある
開業届の提出時期を適切に把握し、副業を開始したタイミング、または年間所得が20万円を超えそうだと確信した時点で提出するのがベストです。年末に慌てて提出するより、早めに手続きしておくと安心です。
開業届けに必要な書類は?
開業届を提出する際に必要な書類についてご説明いたします。開業届には以下の書類が必要となります。
- 個人事業の開業届出・廃業届書
-
開業届を提出するための基本となる書類です。この書類には事業者の氏名や事業の種別、所在地などの情報を記入します。
- 本人確認書類
-
運転免許書やパスポート、マイナンバーカードなど
- 所得税の青色申告承認申請書
-
青色申告を希望する場合のみに必要。
これらの書類は一般的なものであり、地域や事業の種別によって異なる場合もあります。また、あると便利なのが、開業届のコピーと屋号の印鑑です。
開業届の手続きの仕方は?
開業届の手続き方法についてご説明いたします。開業届の手続きは思ったより簡単で開業届を提出するためには以下の手順を踏みます。
先ほど説明した必要書類を用意します。個人事業の開業届出・廃業届書や身分証明書、所得税の青色申告承認申請書を準備します。必要な書類はリストアップして不足がないようにしましょう。
開業届の提出先となる市区町村役場や都道府県庁の窓口やホームページを確認します。提出場所や営業時間、手続きの受け付け方法について情報を入手しましょう。
開業届出書やその他の必要書類に必要事項を記入します。正確な情報を入力することが重要です。事業の名称や種別、所在地、事業者の氏名などの情報を適切に記入しましょう。
書類をまとめて提出します。窓口への持参や郵送、オンラインでの提出など、手続き先の指示に従って提出方法を選びます。提出後、受付印や受領証の控えを確認して保管しましょう。
開業届の手続きは慎重に行う必要があります。
書類の不備や誤りがあると手続きが遅れたり、正式な開業手続きが完了しない場合があります。確認を怠らず、手続きを正確に行うことが重要です。
オンラインで手続きを行う方法
e-Taxを使えば、自宅から24時間いつでも開業届を提出できます。税務署に行く時間がない人におすすめの方法です。ここでは、開業届の手続きをオンラインで行う方法について説明いたします。
近年、多くの自治体がオンライン手続きの導入を進めており、より便利に開業届の提出ができるようになっています。
手続きを行うためにe-taxをインストールするもしくは開業届作成サービスを利用する。
手続きを行うために登録をします。オンライン手続きの案内や必要な書類のダウンロード、手続きの方法に関する情報が掲載されていることがあります。
オンライン手続きシステムを利用して、必要な情報を入力します。開業届出書やその他の必要書類の項目を適切に入力していきます。
必要書類のデータを準備します。オンライン手続きシステムを通じて、書類のアップロードを行うなどしてデータ送付を完了させましょう。
入力とアップロードが完了したら、提出ボタンをクリックして開業届を提出します。システムが受付を確認し、受領証や受付番号を表示する場合があります。必要な情報を確認し、受領証の控えを保存しておきましょう。
オンライン手続きを利用することで、時間や手間を節約できます。初めての方には、次に紹介する開業届作成サービスを使うと、さらに簡単に手続きできます。
オンラインで開業届を出すのにおすすめなサービス

副業を事業としてやっていくならば開業届を出す必要がありますが、本業をやりながら開業届の準備をしていくのは時間も確保できず、大変ですよね。
そこで、おすすめしたいのが無料で開業届を作成して提出する事ができる以下のサービスを利用することです。
- マネーフォワードクラウド開業届
- やよいのかんたん開業
- freee開業
無料で利用できるものが多く、作成後はPDFでダウンロードして郵送するか、e-Taxで提出できます。会計ソフトと連携しているサービスもあり、開業後の確定申告まで考えると便利です。この3つのサービスについて詳しく紹介をしていきます!
マネーフォワードクラウド開業届

マネーフォワードクラウド開業届は会計ソフト大手の株式会社マネーフォワードが運営していて、所得税の青色申告承認申請書など、個人事業主の開業手続きに必要な書類を、web上で無料で作成できるサービスです。
- 完全無料で利用可能
- 質問形式でわかりやすく、初心者でも約10分で作成完了
- 開業届と青色申告承認申請書を同時作成ができる
- 作成後はPDF出力して郵送、または直接e-Tax連携も可能
- マネーフォワードクラウド確定申告との連携がスムーズ
利用したい方は、フォームに沿って必要事項の入力を進めるだけで、専門知識がなくても自身が提出すべき書類の作成や提出場所の確認ができるため、簡単に手続きを進めることができます。
■利用方法
- 質問に答える
- フォームに沿って必要な情報を入力する
- 作成した資料を税務署に提出をする
上記のように3つのステップで開業届を提出する事ができるので、とても助かりますよね。
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弥生のかんたん開業届

弥生の簡単開業届は、会計ソフト「弥生」が提供している会社設立支援サービスです。50年以上の実績がある企業のサービスなので、信頼性が高く安心して利用できます。
- 完全無料、登録不要で利用可能
- ステップに従って入力するだけで最短10分で完成
- 開業届・青色申告承認申請書・青色事業専従者給与の届出書を作成可能
- 作成後はPDFダウンロードして郵送提出ができる
- 弥生の青色申告オンラインとの連携がスムーズ
以下のステップで登録から書類の作成まで無料で利用することができて、登記費用だけで会社の設立が可能です。
■利用方法
- 弥生IDの新規登録
- 開業に必要な基本事項の入力
- 作成書類のダウンロード
- 税務署へ必要書類を提出
ステップに沿って必要な情報を入力していくだけなので簡単な操作で初心者でも理解しやすく、難しい専門知識を持たない人もスムーズに起業できます。
開業後の青色申告もやよいの青色申告オンライン
があるので手続きも簡単に行うことができます。簿記や会計の知識がなくても、最大65万円の青色申告特別控除の要件を満たした青色申告の必要書類がかんたんに作成できます。
\ 開業届を出すなら /
freee開業

freee開業は、クラウド会計ソフトで人気のfreeeが提供する無料の開業届作成サービスです。スマホからでも簡単に作成でき、e-Tax連携にも対応しています。
- 完全無料で利用可能
- スマホでも使いやすいデザイン
- 質問に答えるだけで約5分で書類作成完了
- 開業届・青色申告承認申請書など最大5種類の書類を自動作成できる
- e-Tax連携で電子申請も可能(要マイナンバーカード)
- freee会計との連携でその後の経理もスムーズ
スマホで手軽に手続きしたい方やできるだけ早く開業届を作成したい方に最適です。UIがモダンで直感的に操作できるため、若い世代に特に人気があります。e-Tax連携も簡単で、完全オンラインで手続きを完結させたい方にもおすすめです。
【比較】どれを選ぶべき?
3つのサービスはどれも無料で使いやすいですが、それぞれ特徴があります。選ぶポイントを整理してみました。
| サービス | 作成時間 | 電子申請 | 会計ソフト連携 | 特徴 |
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| マネーフォワード | 約10分 | 可能 | あり | UIがわかりやすい |
| 弥生 | 約10分 | 不可 | あり | 老舗の安心感、登録不要 |
| freee | 約5分 | 可能 | あり | 最速、スマホ対応○ |
- 既に使っている会計ソフトがある → 同じブランドを選ぶとデータ連携がスムーズ
- 完全オンラインで完結したい → freeeまたはマネーフォワード(e-Tax対応)
- 安心感・信頼性重視 → 弥生(創業50年以上の実績)
- とにかく早く作りたい → freee(最短5分)
3つのサービスはいずれも無料ですが、それぞれ特徴が異なります。選ぶポイントは、使いたい会計ソフトとの連携性と操作性です。
なので、すでに使っている会計ソフトに合わせて選ぶのが良いでしょう。まだ決めていない場合は、freee開業が最も操作しやすくおすすめです。いずれのサービスも完成度が高いため、どれを選んでも問題ありません。
副業向け│つまずき防止の開業届の具体的な記入方法

次に開業届の記入方法について詳しく解説をしていきます。
開業届は国税庁のホームページから「個人事業の開業・廃業等届書」の資料をダウンロードするか、もしくは最寄りの税務署から入手することができます。最寄りの税務署がどこにあるのかを調べるには「税務署の所在地などを知りたい方」から郵便番号もしくは都道府県・地図などから探すことができますので、ご活用ください。
個人情報の記入を行う
まず最初に、氏名、住所、生年月日などの基本情報を記入します。この部分は比較的シンプルですが、いくつか注意点があります。開業届には、申請者の個人情報が必要です。以下の情報を正確に記入しましょう。
- 氏名: 申請者の正式な氏名をフルネームで記入します。
- 生年月日: 申請者の生年月日を西暦で記入します。
- マイナンバー:12桁の個人番号を記入します。
- 住所: 申請者の住所を詳細に記入します。郵便番号、都道府県、市区町村、番地、建物名などを含めましょう。
- 連絡先: 申請者の電話番号やメールアドレスなど、連絡を取るための正確な連絡先情報を記入します。
提出先の税務署名は、住所地を管轄する税務署を記入します。国税庁のウェブサイト(税務署の所在地などを知りたい方)で郵便番号から検索できます。提出日は実際に提出する日を記入すればOKで、事前に記入して空欄にしておいても構いません。
副業の内容と所得の推測をする
開業届では、副業の内容や予想される所得について記入する必要があります。副業の場合、この部分の書き方に迷う方が多いですが、難しく考える必要はありません。
- 職業欄:「ライター」「デザイナー」「プログラマー」など簡潔に書く
- 事業の概要:「Webサイトの記事執筆業務」「ロゴデザイン制作」など具体的に書く
- 所得の種類:ほとんどの場合「事業所得」を選択する
- 開業日:副業を始めた日(大まかでOK)
事業の概要など、副業の具体的な内容を明確に記入します。そして、副業によって得られる予想所得を記入します。年間の見込み売上高や利益など、できるだけ具体的な数値を記入しましょう。副業の収入見込みは概算で構いません。
事業形態を明確にする
開業届には、青色申告を希望するかどうかを記入する欄があります。青色申告を選択する場合は、別途「青色申告承認申請書」の提出も必要です。
- 青色申告の有無:節税したいなら「有」を選択し、青色申告承認申請書も提出する
- 消費税:年間売上1000万円以下なら「免税事業者」で問題なし
- 給与等の支払い:従業員や家族に給与を払う予定がある場合のみ「有」にする
- 源泉所得税の納期の特例:給与支払いがある場合に年2回納付にできる制度がある
副業で従業員を雇わない個人事業の場合、給与等の支払いは「無」で問題ありません。青色申告は大きな節税効果があるため、継続的に収入が見込めるなら「有」を選択し、必ず青色申告承認申請書も同時に提出しましょう。
営業場所の詳細を記入する
開業届では、事業所の所在地を記入する欄があります。副業で自宅を拠点にする場合は、自宅の住所を記入すればOKです。
- 営業場所の住所: 自宅を事業の場所とする場合は、自宅の住所を記入します。郵便番号、都道府県、市区町村、番地、建物名など、できるだけ具体的に記入をしましょう。
- 事業所の種類:「自宅」または「事務所」を選択
- 法人: 法人格を持つ組織として副業を行う場合は、法人名や法人番号を記入します。
- 賃貸の場合:家賃の一部を経費計上できる可能性あり
自宅で副業をする場合、家賃や光熱費の一部を家事按分として経費計上できます。事業で使用する割合(面積や時間)を計算しなければいけませんが経費計上できる項目は経費処理しましょう。屋号は必須ではなく、個人名だけでも全く問題ありません。
開業届を提出した後にやるべき手続きと注意点

ここからは開業届を提出した後の手続きと注意点について、以下4つについて詳しく解説をしていきます。いくつかの確認事項と今後必要になる手続きをここで一緒に把握しておきましょう。
- 提出後の確認手続きをする
- 受領書を保管しておく
- 税金や社会保証関連の対応を行う
- 更新や変更手続きがないか確認をする
開業届を出して終わり、ということではないため提出後も漏れがないか確認してくださいね。
提出後の確認手続きをする
開業届を提出した後は、受理されたかどうかを確認しましょう。特に郵送やe-Taxで提出した場合は、受理の確認を忘れがちです。
- 税務署から控えが返送されたか
- 青色申告承認申請書も同時提出できたか
- 提出期限内に提出できたか
管轄する役所からメールや郵送で受理通知や受領証などを受け取る場合もありますので、それを確認します。
もし提出後に不備があった場合、税務署から連絡が来ることもあります。連絡先の電話番号やメールアドレスは常に確認できる状態にしておきましょう。青色申告承認申請書を出し忘れた場合は、その年は青色申告できないため、早めに翌年分を提出することをおすすめします。
受領書を保管しておく
開業届の提出後、受領書を受け取ることがあります。この受領書は、開業手続きの証拠となる重要な書類です。開業届の控えは、銀行で屋号名義の口座を作る時や、融資を申し込む時に必要になることがあるので、受領書は破棄せずに大切に保管をしておきます。
- 事業開始日を証明できる
- 銀行口座開設時に必要になる
- 融資や補助金申請時の添付書類として使用できる
- 屋号の使用根拠として提示を求められることがある
保管しておくことで、後々のトラブルや証明が必要な場合に役立ちますし、控えはコピーを取って複数箇所に保管するか、PDFでデータ保存しておくと安心です。
税金や社会保証関連の対応を行う
開業に伴って生じる税金について、正確に申告し納税する必要があります。開業届を提出したら、今後の税金や確定申告に向けた準備を始めましょう。管理しやすくするためにも以下の対応をしておくと後々便利ですよ。
- 会計ソフトの導入する
- 事業用の銀行口座・クレジットカードの開設する
- 領収書やレシートの保管ルールを決める
また、消費税や源泉徴収など、適用される税金についても理解し対応していきます。会計ソフトを使えば、日々の取引を入力するだけで自動的に確定申告書類が作成されるため、初心者でも管理しやすいですよ。
それから社会保険は、本業で加入していれば副業分の追加手続きは基本的に不要です。
副業を始めるなら副業用の銀行口座を解説することをおすすめします。以下の記事では副業用の銀行口座を解説するメリットやデメリットを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

更新や変更手続きがないか確認をする
開業届は一度提出すれば、基本的に更新手続きは不要です。しかし、事業内容や住所に変更があった場合は、届出が必要になることがあります。変更手続きが必要な場合は以下が考えられます。
- 住所変更:「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を提出する
- 事業内容の大幅変更:特に届出不要だが、確定申告時に記載する
- 廃業する場合:「個人事業の開業・廃業等届出書」(廃業用)を提出する
- 屋号変更:特に届出不要だが、次回の確定申告時に新屋号を記載する
事業を拡大して従業員を雇う場合は、「給与支払事務所等の開設届出書」の提出が必要です。また、消費税の課税事業者になる場合(売上1000万円超)も届出が必要になります。変更があった際は、税務署のウェブサイトで必要な手続きを確認しましょう。
開業届を出す前に知っておきたいQ&A

開業届の提出を検討するときは、多くの人が同じような疑問を抱きます。こでは、特によく聞かれる質問に答えていきます。
- 会社に絶対バレない?
- 途中でやめたらどうなるの?
- 失敗・赤字でも問題ない?
結論から言えば、開業届を出すこと自体で会社にバレることはほとんどありません。また、事業をやめる場合は廃業届を出せばOKで、赤字でも法的な問題はありません。それぞれ詳しく見ていきましょう。
会社に絶対バレない?
開業届を提出しただけで会社にバレることは、基本的にありません。ただし、確定申告の方法を間違えると、住民税の金額から副業がバレる可能性があります。会社にバレることを防ぎたいなら以下を注意しましょう。
- 確定申告時に住民税の徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」を選択する
- 副業の住民税が本業の給与から天引きされないようにする
- 就業規則で副業が禁止されていないか事前確認する
確定申告書の第二表にある「住民税の徴収方法」で「自分で納付」にチェックを入れれば、副業分の住民税は自宅に納付書が届きます。これにより、会社の給与から天引きされる住民税額が増えず、副業がバレにくくなります。ただし、社内での噂話や取引先との接触など、思わぬところからバレることもあるため、会社で副業を禁止している場合は、副業をやることはやめましょう。
途中でやめたらどうなるの?
副業を途中でやめる場合、「個人事業の開業・廃業等届出書」の廃業欄に記入して提出するだけで、特に複雑な手続きは不要です。
- 開業届と同じ用紙の「廃業」にチェックして提出する
- 廃業日から1か月以内に提出する
- 青色申告を取りやめる場合は「青色申告の取りやめ届出書」も提出する
- 廃業年の確定申告は必要です
廃業届を出さずに事業をやめても、法的な罰則はありません。
ただし、廃業後も税務署から申告書類が届き続けることがあるため、きちんと廃業届を出しておく方が良いです。廃業した年に所得があった場合は、その年分の確定申告は必要なので、忘れずに行いましょう。
失敗・赤字でも問題ない?
事業が赤字でも、開業届を出していること自体に問題はありません。むしろ青色申告をしていれば、赤字を翌年以降に繰り越して節税できるメリットがあります。
- 青色申告なら赤字を最大3年間繰り越せる
- 本業の給与所得と損益通算できる場合がある
- 継続的に赤字だと「事業」ではなく「趣味」とみなされる可能性ある
注意したいのは、何年も連続で赤字が続くと、税務署から事業の実態がないと判断される可能性があることです。その場合、経費が認められなかったり、青色申告の承認が取り消されたりすることがあります。
事業として本気で取り組む姿勢と収益計画が大切です。
副業と本業の税金や法的な関係性の注意点
副業と本業では税金と法的な取り扱いが異なる場合があるので、どんな違いがあるのか理解を深めておきましょう!
- 職種によって税率が違う
- 本業の就業規則を確認しておく
- 専門家の助言やアドバイスを受ける
とくに税金については、副業の種類(事業所得、雑所得、給与所得)によって計算方法が異なり、節税にも影響しますので、ここでしっかりと確認をしておきましょう。
職種によって税率が違う
副業と本業の収入には異なる税金のルールが適用されることがあります。
特に注意しておきたいのが職業によって税率が異なることです。例として東京都が定めている業種ごとの個人事業税の税率区分について一覧をご紹介します。

また、個人事業税は年間290万円の事業主控除があるので、年間所得が290万円以下の場合は納付する必要はありません。仮に納税してしまった場合でも、個人事業税は経費として計上することができるので、このことは覚えておきましょう。
本業の就業規則を確認しておく
会社に勤めながら副業として開業するのであれば、会社の就業規則を事前に確認しましょう。副業を認められている企業は増えたものの、副業を禁止している企業もあるからです。
- 副業・兼業が全面的に禁止されていないか
- 許可制の場合、事前申請が必要か
- 競合する事業や利益相反になる副業は避ける
- 公務員は国家公務員法・地方公務員法で原則禁止である
近年は副業を認める企業が増えていますが、まだ禁止している企業も多くあります。許可制の場合は、事前に人事部門に相談し、承認を得てから開業届を出すのが安全です。無断で副業して発覚した場合、最悪の場合は解雇につながることもあるため、必ず確認しましょう。
そのため、必ず就業規則を見直して、副業が認められているかを確認してください。以下の記事では副業の定義について解説をしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

専門家の助言やアドバイスの重要性
専門家の助言、アドバイスは適切なビジネスを行うのにとても重要です。もし、わからない事があれば専門家に相談をしてみましょう。
- 税務アドバイザーの利用
-
適切な税金の申告や節税の方法を学び、将来のリスクやトラブルを避けるために専門家のサポートを受けることが重要です。副業を始める際には、税務アドバイザーや会計士の助言を受けることが有益です。
- 法律家や専門家のコンサルテーション
-
副業に関連する法的な問題や契約、知的財産権などの事項については、法律家や専門家との相談が重要です。専門知識を持つ専門家の助言を受けることで、法的なトラブルやリスクを最小限に抑えることができます。
開業届を出す前に知っておくべきこととして、副業と本業の税金や法的な関係性についての注意点、専門家の助言やアドバイスの重要性を取り上げることが有益です。
これらの情報を把握することで、副業を始める際のリスク管理や適切なビジネス運営が可能になります。
副業の開業届に関する基礎知識まとめ
副業で開業届を出すかどうかは、あなたの副業スタイルや収入見込みによって判断が分かれます。
青色申告で大きな節税効果を得たい方、屋号を使って事業の信頼性を高めたい方には提出がおすすめです。開業届の提出自体は無料で簡単にでき、オンラインサービスを使えば10分程度で作成できます。提出後は、帳簿付けや確定申告の準備を計画的に進めることが大切です。
会社にバレて解雇されないようにするためにもあなたの会社が副業をOKでしているのか就業規則の確認も忘れずに行いましょう。不安な点があれば、税理士などの専門家に相談することで、より安心して副業をスタートできます。
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| 作成時間 | 約10分 | 約5分 | 約15分 |
| 電子申告 | なし | あり | なし |
| 作成書類 | 開業届 青色申告承認申請書 | 開業届 青色申告承認申請書 給与支払事務所等開設届出書 | 開業届 青色申告承認申請書 |
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